法定雇用率2.5→2.7%対応:2025–26実務ロードマップ

2024年4月に法定雇用率は2.5%へ、2026年7月には2.7%へ引上げが確定。対象企業の範囲拡大(40.0人以上→37.5人以上)、10〜20時間勤務の一部カウント化、除外率引下げなど実務影響は大。未達は納付金や企業名公表のリスクも。いまから間に合う“逆算設計”の手順を解説します。

◆制度改正の要点(まずここだけ押さえる)

 
  • 段階的引上げ:民間の法定雇用率は「2.3%(〜2024/3)→2.5%(2024/4〜)→2.7%(2026/7〜)」へ。対象事業主の範囲も「43.5人以上→40.0人以上→37.5人以上」に拡大します。

  • 10〜20時間勤務のカウント:週所定10〜20時間の「精神障害者・重度身体・重度知的」は0.5人として算定可能に(2024/4〜)。20〜30時間の精神障害者の“1カウント”特例も当面維持の方向です。

  • 除外率の見直し:業種別除外率は2025年4月1日から各設定業種で一律10ポイント引下げ。一部業種では実雇用率の必要人数が増えます。

  • 納付金・調整金の見直し:未達の事業主(常用100人超)は不足1人あたり月額5万円の納付金。一方、超過雇用に対する調整金・報奨金は超過人数に応じ減額調整が導入(2024/4〜)。

  • 達成状況:2024年集計では、40.0〜43.5人未満規模の達成率は33.3%。小規模帯での遅れが顕著です。

  • 企業名公表:雇入れ計画の勧告等にも関わらず改善が見られない場合、法47条に基づき企業名が公表(再公表)されます。

 

◆影響試算:自社の不足人数を“いま”把握する

 

 

ステップ1:現行(2.5%)の義務数を算出

  • 算式(〜2026/6):(常用30h以上の人数+20〜30hの短時間労働者×0.5+〔該当する10〜20h〕×0.5)×0.025

  • :従業員200人、20〜30hが20人、10〜20h該当が4人(うち精神または重度×4)
    → 義務数=(200+20×0.5+4×0.5)×0.025=(200+10+2)×0.025=5.3人→5人(端数切捨て)

 

ステップ2:2026/7〜(2.7%)も先に計算

  • 算式:上式の係数を0.027に変更

  • 上記条件なら (212)×0.027=5.724→5人

  • ただし除外率引下げ37.5人以上への範囲拡大で、母数が増える企業は義務数が増加しやすい点に注意。

ステップ3:ギャップを“月換算”で埋める

 
  • 例)不足2人2026年6月までの10か月で解消 → 月0.2人の採用/内製化(ジョブカービング)計画に落とし込み。

  • 未達が続くと、1人×月5万円の納付金+ブランド毀損(企業名公表)リスク。


 

2024–2026 実務ロードマップ(逆算で考える)

 

① 直近3か月:制度設計とKPI

 
  • 要員計画:義務数、想定離職、異動を加味した純増KPIを定義

  • 職域設計:定型処理(受注入力、RPA監視)、IT運用補助、総務・購買、品質検査などジョブカービングで“0.5〜1.0カウント”の席を量産

  • 合理的配慮の標準化:通院配慮、業務量・指示の見える化、感覚過敏対策(照度・音)、面談頻度の規程化

② 〜2025年度内:採用チャネルとオンボーディング

 
  • 採用:ハローワーク、就労移行支援、特例子会社/グループ算定特例の活用、在宅・テレワーク枠の新設

  • オンボーディング週10〜20hの0.5カウント枠をリスキリング前提の入口として設計(段階的定着→時間延長)。

  • 支援の外部化:2024年開始の障害者雇用相談援助事業を活用(原則無料)。

③ 2026年上期:最終調整

 
  • 採用の前倒し2026/7の2.7%に合わせ、2026/4〜6で不足分を採用・配置転換

  • 除外率引下げの影響再点検(2025/4〜)。対象業種は義務数が増えやすい。

  • 見える化:人的資本開示(有報)の障害者雇用KPI・取り組みを整備


 

リスクと費用:未達コストを“見える化”

 
  • 納付金:常用100人超の未達企業は不足1人×月5万円。不足3人で年間180万円。達成・超過企業には調整金/報奨金(ただし2024/4〜超過分は段階的減額)。

  • 企業名公表:勧告後も改善が見られない場合に社名公表(再公表あり)。IR・採用・取引先審査への影響が大きい。


 

施策カタログ(すぐ始められる実装例)

 

採用・配置

 
  • 短時間×在宅:データ精査、AIツールの学習用タグ付け、帳票チェック

  • バックオフィス:請求書突合、経費審査一次、固定資産台帳整備

  • 製造・物流:目視検査、ピッキング、ラベル発行・貼付、RPA監視

定着・育成

 
  • 合理的配慮テンプレ:作業手順の図解、静音ヘッドセット貸与、席配置、1on1設計

  • ジョブコーチ連携:月次レビュー、体調・稼働のダッシュボード化

  • リスキリング:PC基礎→RPA記録→Power Automate→生成AIプロンプト


 

助成金・支援の使い方(2024年以降の要点)

 
  • 調整金・報奨金:2024/4以降、超過人数に応じ減額(例:調整金は11人目〜、報奨金は36人目〜)。**“広く薄く雇う”より“戦略的に適所化”**へ。

  • 新設・拡充障害者雇用相談援助事業や、加齢・職務転換に伴う支援の拡充などを組み合わせ、雇入れ・定着を一貫設計。

  • 10〜20時間の0.5カウントを活用し、段階的増務の育成ラインを作る(年度内の達成確度を高める)。

TSUNAGUの支援

  • 障害者雇用支援:実雇用率ギャップ分析→職域設計→採用計画→定着運用まで伴走

  • 助成金申請支援:調整金・報奨金、各種助成の適用設計と申請事務の丸ごと支援

  • 人材育成研修:IT・DX・AI活用リスキリング研修、イーラーニング研修で支援

※TSUNAGUの事業概要はこちら


 

まとめ:逆算で“今期内に”達成設計を

 
  • いまは2.5%、2026/7に2.7%——母数拡大(37.5人以上)除外率引下げで実負担は増えやすい。まず不足数を算出し、月次で埋めるKPIに落とし込みましょう。

  • 10〜20時間の0.5カウントや外部支援を使い、入口を広げて定着で伸ばす設計が有効。

  • 未達コスト(納付金)と企業名公表の回避は経営課題。採用×職域設計×育成を一体で。

TSUNAGUは、自社内での障害者雇用支援から人材育成をしながら法定雇用率を達成する「人材育成型障害者雇用支援」、既に社内で活躍されている既存の障害者社員に向けてのリスキリング研修を通じた人材育成を一気通貫で提供します。自社の状況(規模・業種・拠点・在宅可否)に合わせた**“達成ロードマップ”**を即日で初版設計。まずはご相談ください。

障害者雇用でお悩みの方は、ぜひTSUNAGUへお気軽にご相談ください。

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